PCM1702 DACの製作 2013/5/22製作
<製作のきっかけ> 2020/4/26
2000年にPCM 58Pを使用した18ビットDAコンバーターを製作後に単体のDAコンバーターが作りたくなって2002年に20ビットのPCM1702を購入していました。
11年後の2013年に金田式DACを作りたくなって、その前にPCM1702 DAコンバーターを製作することにしました。
PCM1702 DAコンバーター完成後の7月に金田式DAC用のCS8416とPCM1794DBRを購入していますが製作予定は今のところありません。
コントロールアンプの上にDAコンバーターを載せています。
<主な使用部品>
PCM 58P DAコンバーターで使用経験のあるCS8412とほぼ同じで96KHz対応のクリスタル CS8414をDAIレシーバーに採用しました。
デジタルフィルターも前回使用の20ビット対応NPC SM5843Aを採用したかったので、20ビットのバーブラウンPCM1702を採用しました。
PCM1702は標準品をパラかプッシュプルで使用したかったので4個購入して12600円でした。
PCM1702はDIPタイプでICソケットを使用して配線可能なのも採用理由の一つです。
デジタル部のコンデンサーはニッセイ電気 積層フィルムAPSとOSコンデンサーを使用しました。
<設計>
金田式高速電源用に2SC1164/2SA654を1ペア購入したまま死蔵していたので金田式DAC用電源回路の±5V電源レギュレーターに使用することにしました。
ケースをタカチ US-260(W260 H40 D190)にしてスペースがないのでI/Vコンバーター用電源は安定化電源なしにしました。
電源トランスはケースの高さ40mmに納まるジャンクのRコアトランスにしたので、1個で18Vをプラスマイナス1個ずつ使用しました。
CS8414を使用し、同軸入力と光入力をRXP,RXNの各入力端子に直接接続して入力があった方が自動的に選択される回路を採用しています。デジタルフィルターSM5843Aの入力に合わせてM0,M1,M2,M3の各モードセレクトピンをHIGH,LOW,HIGH,LOWにセットして16ビット出力とします。(HIGHは+5V,LOWはGNDに接続)
電源はアナログ電源からフェライトビーズのEMIフィルターを通してデジタル電源を供給するようにしました。
SM5843Aを使用し、システムクロックは256xfs/384xfsが選択できるのでCS8414のマスタークロック出力256xfsを利用します。
出力はD/Aコンバーター、バーブラウンPCM1702に合わせて20ビット出力にセットします。
デジタルディエンファシスのコントロール信号はCS8414の出力信号を反転して入力しなければならないのでインバーターに74LS04を使用しています。
デジタル部回路図
バーブラウンPCM1702は片チャンネル2個並列で使用することにしました。
電圧は+5V,-5Vなのでアナログ電源からフェライトビーズのEMIフィルターを通してデジタル電源を供給するようにしました。
前回と同じラジオ技術1993年5月号の別府俊幸氏が発表されたトランス・インピーダンス・アンプ使用のI/Vコンバーター回路を参考に設計しました。
手持ちのディップマイカコンデンサーを使用したかったので、アナログフィルターはCR2段とし、カットオフ周波数は1段目97KHz、2段目は220KHzとしました。
左I/Vコンバーター、右PCM1702
I/Vコンバーター回路図
<製作>
DAC基板はICソケットを使い各IC間の配線はテフロン皮膜単線でプリント基板の表面を配線し、電源・アースラインは裏面をモガミ電線7本よりで配線しました。
I/Vコンバーター基板はLRを一枚基板としたので入力を外側にした対象配置とし、モガミ電線7本よりで配線しました。
電源配線は圧着端子で分配しています。
背面側上部
前回のDAコンバーターとほぼ同じ回路なので特に問題なく製作することが出来ました。
苦労したのはケースが幅260mmと小さかったのでケース内に基板を納めるのがギリギリでした。
DAI基板はOSコンデンサーの数が多いこととAPSフィルムコンデンサーが大きく、きゅうくつな配置になりコンデンサーは斜めになりました。
<調整>
調整作業はDAI基板はICソケットICを取り付ける前にテスターで電源電圧とアースラインの確認をしました。
I/Vコンバーター基板は半固定抵抗調整して出力DC電圧がゼロになるようにします。
<音質>
DAC組み込みコントロ-ルアンプのDACと比較試聴を行いましたが、大きな音質差はなく必要十分な良い音が出せていると思います。
2020年現在メインのDAコンバーターとして活躍しています。