Li-fe充電バランサーの製作

<きっかけ>

RCレースにリフェバッテリーがレギュレーションで使用できるようになってきて、1日に何度でも使用できて長寿命と便利そうなので、タミヤのLF2200-6.6VレーシングパックAC充電器セットを購入しました。

タミヤのAC充電器はローコストなのでバランス充電機能が付いていません。

LF2200バッテリーのマニュアルには電池の寿命を長く保つため5回に1回程度バランス充電用コネクターを接続して、バッテリーを充電してください。とあるので充電バランサーを製作することにしました。

Li-feバランス充電中

黒とシルバーの箱がLi-fe充電バランサーです。通電確認のLEDを付けています。

Li-feバランサー内部

バランスコネクターはタミヤタイプとJST−XHの2本出しとしています。トランジスターはケースに収まらなかったので寝かしています。オペアンプICはトランジスターの下になっています。

<設計方針>

ローコストにするため手持ち部品を使用して製作する。

したがって使用部品は使う予定の無いオーディオ用部品を使用しています。

メーカー製バランス充電器のスペック、バランス充電電流0.2Aを目標に設計しました。

<回路>

バランス充電器の回路は公開されていないので、想像で設計しました。

JRCのNJM4580は秋月電子通商で1個50円程度で売られているオーディオ用2回路入りオペアンプです。今回は1回路しか使っていません。

NJM4580は動作電圧±2V〜18V、最大電流50mAでリフェ6.6Vで使用するにはちょうど良いスペックです。

回路はオペアンプによるボルテージフォロア回路を使用しています。入力電圧と出力電圧が等しくなるという性質を利用しています。

10KΩの抵抗2本で6.6Vの中点電圧3.3Vを作りオペアンプの+入力に接続し、リフェバッテリーの中点電圧とオペアンプ出力を-入力に接続することにより、オペアンプはバッテリーの電圧バランスをとるように動作します。

10KΩの抵抗中点電圧が基準電圧となるので、1%精度の抵抗を使用しています。

オペアンプの最大電流は50mAなのでトランジスターで電流増幅をしています。120Ωの抵抗に5mA以上の電流が流れるとトランジスターが動作し始め0.4A程度までカバーするようにしています。

4.7Ωの抵抗はトランジスターに電流が流れすぎないようにするための抵抗です。2SC3298のVceは1.5Vなので0.4A程度で電圧降下によりトランジスターは動作を停止します。

4.7Ω抵抗は1W品を使用しています。

回路図

コンデンサーは0.047μFのマイラーコンデンサーを使用しています。0.0471μF程度でよいと思います。

<製作>

ケースはタカチのアルミケース8x5x3cmを使用し、ユニバーサル基盤に部品を配置しています。

単純な回路ですが、オペアンプの足は8本あるので配線は混み合っています。

改善点は基盤に余裕があるのでトランジスターを離して配置すれば、電圧チェックが簡単にできるので良いと思います。現状はトランジスターを折り曲げたため電圧チェックが困難です。

<製作しての感想>

実際に使用してみて、電圧バランスはとれています。バッテリーが新品のためあまりバランス電流は多く流れていないようです。(実測20mA程度)

毎回バランス充電すればオペアンプ2回路並列、トランジスター無しでもいいかもしれません。

<2号機の製作>

2個目のLi−fe電池を購入したので、トランジスター無しの簡易型充電バランサーを製作しました。

R8C充電器をLi−fe対応に改造したので2個同時充電のため必要になり、バランス電流は少なくても良さそうなのでNJM4580の2個のオペアンプの最大電流5050mAの半分2525A50mA程度で動作するように考えました。

Li-feバランサー2号機

1号機がやや大きめなので持ち運びを考えて小型化しました。

レースの景品でもらったモーターマニアの小物入れに収まるようにプリント基板をカットして使用しています。

回路図

100Ωの抵抗は電流制限のために入れています。この抵抗の電圧を測ることでバランス電流を測定します。最初の充電では電圧は1.8V、1818mAの約36mA流れました。

NJM4580内蔵オペアンプ2回路並列としているので、プリント基板の裏の配線は混み合っています。

NJM4580の数を増やしてバランス電流の最大値を大きくすることも可能だと思います。

Li-feバランス充電中

モーターマニアのケースに入れ、フタを取った状態で使用します。

ホームページに戻る

inserted by FC2 system