dBパワーアンプの製作 

<製作のきっかけ>2003/12/30

 ラジカセやテレビのヘッドホン出力を利用してスピーカーを鳴らすアンプを製作しました。

元々コントロールアンプに組み込んでパソコン用スピーカーを鳴らすために製作したアンプ基板が余っていたので、それを利用して新たなケースに組み込んでBGM用として使用しています。

0dbPOWERdBパワーアンプ

内部構成は向かって左側にジャンクの電源トランス、手前の2本のケミコンはエルナーARE16V 4700μF電源部、右の基板の手前に右チャンネル、奥に左チャンネルのパワーMOS-FETを組んだパワーアンプとなっています。

<設計コンセプト>

MJ無線と実験の窪田登司先生の終段No-NFB 0dB パワーアンプを参考にしています。

原回路は終段MOS-FETのみで、入力はカップリングコンデンサーが入っているのですが、カップリングコンデンサー無しのDCアンプとして設計しました。

最初は終段MOS-FETのみで製作しましたが、生気の無い音になってしまったので、ゼロバイアスのバッファーアンプを入力に挿入しました。

コントロールアンプの出力にパワーアンプの終段が直接接続されると、音質的に悪影響があるようです。バッファーアンプを入れることで音質は満足できるものになりました。

元々はコントロールアンプ内部に組み込んで、パソコン用スピーカーやヘッドホンを鳴らせる小出力アンプとして製作したので、小型のユニバーサル基板にコンパクトにモジュール化しました。コントロールアンプにDACを組み込むとき基板の大きさは同じなのでそのまま入れ替えました。

<アンプの仕様>

回路構成

終段No-NFB 0dB パワーアンプ+初段ゼロバイアスバッファーアンプ

使用部品 アンプ部

初段バッファーアンプ2SJ722SK147

終段アンプMOS-FET 2SJ492SK134

使用部品 電源部

ケミコンはエルナーARE16V 4700μF、トランスはビデオデッキのジャンク

<回路図>

0dbkairodBパワーアンプ回路

入力抵抗はヘッドホンのインピーダンスが32Ω程度なので、ヘッドホン出力専用として620Ωとしました。終段のバイアス回路は金田式アンプの方式を採用し、半固定抵抗でオフセット電圧とアイドリング電流を調整します。アイドリング電流7080mAで自然に安定するようです。

初段及び終段とも、ソースフォロアーのNo-NFB 0dBアンプとなっています。通常のプリアンプではフルボリューム近くにしないと満足な音量は出ません。

電源部とアンプ配線

電源部は3本の基板スペーサーに圧着端子ビス止めでコンデンサーと配線を集中させています。

ケミコン25330μFとフィルムコンデンサー1μFを電源ラインに最短距離で接続し、大型のケミコン164700μFは離れたところから配線コードで接続しています。

アース配線はケミコンの中点で1点アースとしています。

<アンプの製作>

とにかくコンパクトに作りたかったので、終段MOS-FETは放熱器無しとしました。金田式アンプの例では出力10Wぐらいまで放熱器無しで製作可能なようです。

電源トランスは手持ちのジャンク品を使ったので±10Vの電圧となりましたが、±20V程度の電圧をかけると出力10W程度出ると思います。

現在MOS-FET 2SJ49/2SK134は手に入らないと思いますが、モールドバージョンの2SJ160/2SK1056が特性的には同じで使用可能です。

<調整>

調整箇所は半固定抵抗で出力オフセット電圧を0Vにします。本機では100Ωの半固定抵抗としたので、 2SJ490Ω、2SK134側最大100Ωでも5080mVのオフセットになりました。200500Ωなら0Vに出来ると思います。

<問題点>

電源電圧が±10Vと低かったので8Ω最大出力が0.7W程度しか取れませんでした。大音量で使用する場合±20V程度必要と思います。

アイドリング電流7080mAと少な目でもパワーFETはぎりぎり触れる程度まで熱くなっているので、±20Vの電圧では小型の放熱器を付けたほうがよさそうです。

<測定と試聴>  

最大出力を測定して8Ω最大出力が0.7Wと思ったより小さかったのは残念でした。

V-FETパワーアンプと入れ替えての試聴では、音楽のリアル感と音のクリアーさでは勝っているように感じました。

最大出力が0.7Wでもかなりの大音量は出せるので、TVで映画を見たりするには十分な迫力のある音量が出ています。

TVやCDプレイヤーのヘッドホン出力では大音量が出せますが、ゲームボーイでは小音量しか出ませんでした。

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